さて、めでたく建設業許可を取得することが出来たなら、今後、あなたは請負金額が500万円以上の工事を請け負う資格を手に入れたわけです。

しかし、建設業許可を取得するということはそれだけではありません。

その代わり、今後、やらなければならないいくつかの義務があなたに課されることになりますので、その一部をここでご紹介しておきます。

 

許可の更新と決算変更届

まず、建設業許可を取得した者は、1年に1度、「決算変更届(事業年度終了変更届)」という届け出をしなければなりません。

毎年、事業年度(個人事業者なら12月、法人なら決算月)終了後4ヶ月以内に、その事業年度における会計状況を届け出ます。

届出作成には新規申請の時と同様、税理士さんが作成した決算書などをそのまま使用することができず、一般的な決算書から建設業財務諸表用に変換する知識と作業が必要となりますので注意してください(税理士さんが作成した確定申告書や決算書を、そのまま提出すれば良い訳ではありません)。

また、この毎年の決算変更届を怠ると、次の建設業許可の更新が出来なくなり許可を失うことになります。

⇒ 【基礎知識】決算変更届(事業年度終了変更届)とは

⇒ 当事務所の決算変更届代行のご利用をお考えの場合はこちら

 

次に、建設業許可の有効期間は、許可のあった日から5年目を経過する日の前日をもって満了します。

引き続き建設業を営もうとする場合には、期間が満了する30日前までに許可の「更新」の手続きを行わなければなりません

(その日付は、全て許可を取得した送られてくる「通知書」に書いてありますので、よく見ておいてください)。

更新の手続きを怠ると、せっかく取得した許可を失うことになります。

また、先述の「決算変更届」が毎年きちんと提出されていないと、更新することが出来ません。

 

そして、「決算変更届」は期限を過ぎても何とかなることがありますが、「更新」については通知書に書いてある有効期限を1日でも過ぎると必ず許可を失い、何を言っても取り返しがききません。

くれぐれも更新の期限は、忘れないようにしてください。

⇒ 【関連ブログ】建設業許可の更新は変更届が重要

⇒ 【関連ブログ】許可の更新を侮ってはいけない

⇒ 当事務所の建設業許可更新申請代行のご利用をお考えの場合はこちら

 

標識の掲示

建設業の許可取得後は、法定の標識を掲示しなければなりません。

建設業の許可を受けたものは、その店舗および建設工事の現場ごと(元請業者のみ)に、公衆の見やすい場所に次に示す標識を掲げなければなりません。

 

 

変更時の届け出

建設業の許可取得後、役員の変更や経営業務の管理責任者の変更等があった際は、提出期限までに変更を届け出なければいけません。

 

変更事項 提出期限
□ 商号・名称の変更 変更後30日以内
□ 営業所の変更
□ 資本金額の変更
□ 役員等の変更
□ 電話番号の変更
□ 支配人の変更
□ 従たる営業所の代表者の変更
□ 経営業務の管理責任者の変更 変更後2週間以内
□ 専任技術者の変更
□ 健康保険の加入状況
(従業員数以外)
□ 決算変更届 事業年度終了後4か月以内
□ 廃 業 30日以内

 

特に、経営業務の管理責任者や専任技術者の変更は許可の維持に関わる重要な要件の上、提出期限も短くなっていますので気を付けましょう。

また、役員等の変更には株主の変更も含まれますので注意が必要です。

⇒ 【基礎知識】建設業許可の変更届

⇒ 当事務所の建設業許可変更届代行のご利用をお考えの場合はこちら

 

主任技術者、監理技術者の現場配置

許可を受けた建設業者がその請け負った建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し、当該建設工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(主任技術者)を置かなければなりません(主任技術者の要件は、一般建設業の専任技術者と同じ)。

また、発注者から直接建設工事を請け負った(元請)特定建設業者は、下請代金の総額が4,500万円(ただし建築一式工事にあっては7,000万円)以上になる場合、当該建設工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(監理技術者)を置かなければなりません(監理技術者の要件は、特定建設業の専任技術者と同じ)。

主任技術者は一般建設業の「専任技術者」が兼ねることも出来ますが、条件がありますので注意してください。

⇒ 【関連ブログ】主任技術者と専任技術者

⇒ 【関連ブログ】専任の主任技術者の現場配置について

 

一括下請負の禁止

建設工事の一括下請契約は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合以外は禁止されています(共同住宅を新築する建設工事は上記承諾があっても不可)。

また。公共工事については一括下請負は全面的に禁止されています。

なお、一括下請負禁止違反は営業停止等監督処分の対象となります。

 

各種帳簿類の備え付け

建設業法では、建設業の営業に関する帳簿を備え、保存しなければならないとされています。

帳簿には5年間の保存義務がありますので、注意しましょう。

また、発注者と締結した住宅を新築する建設工事に係るものにあっては、10年間の保存義務となります。

⇒ 【基礎知識】建設業法における帳簿とは

 

⇒ 【次の基礎知識】建設業許可の変更届

 

建設業許可新規申請代行

 

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